悠々談談

日々思うことを、つらづらと

戦争は国対国の行為ではない

 戦争は国対国の国際政治上の行為ではない。利益を極大化しようと試みる国のエスタブリッシュメントが、色々と口実をつけて国民を動員させて起こす行為である。だから、戦争をする両国で戦場に行かされる兵隊とその家族は、どの国に属しているかは関係ない。日本だと愛国心が戦争の国民を煽るツールとして使われてきた。愛国心を鼓舞することで、戦意を高め、国の繁栄に直結していればまだいい。しかし、太平洋戦争で亡くなった人は300万人。その6割が餓死、病死だった。

 

 戦勝国サイドにしたって、家族を失う悲しみは、国が勝ったとしても、戦死した家族がかえって来るわけではない。第一次大戦、第二次大戦ともに戦争に行って死なないまでも精神を病んで帰還した兵士も多い。

 

 そういう意味で、日本国憲法の言うように国権の発動たる戦争を禁止するという趣旨は戦争の本質を見事に突き、その憲法を不断の努力で守れと規定しているように思う。政治は自らの権益拡大のために軍備を使うことにどうしても目が向きがち。それを国民の手で止めよ、と言ってるわけだ。

 

 とは言っても、国民自体が戦争に向かいだすと、政治も止められなくなる。そこで問われるのは政治と国民の間に存在するメディアのありかただ。第二次世界大戦の時、英国のBBCは英国軍を我が軍と言わず、英国軍と称したと聞いたことがある。そういった抑揚の効いた報道が日本のメディアにできるかどうか、私は甚だ、悲しいけど懐疑的。