悠々談談

日々思うことを、つらづらと

「コト、はじまりの夏」がいい

 ここんとこ、ボーはおそれているとか、哀れなるものたちがよかったなあと思い、映画のレビューも書いている。そしてボーは2回も見てしまった。でも、改めて今年見た10数本の映画を思い返してみるに、「コト、はじまりの夏」よかったなあとつくづく思う。大きな事件があるでなし、妄想にふけるでなし、でも確実にみる人の心に印象を植えつけていく。

 ボーは、ユダヤ教一家には当たり前のようになる母親の強さがテーマの一つで、その下でボーはさまざまな体験をする。でも、そこでの経験は全て非現実的で、ボーの住む家も含めて全て母親の掌の上だった。そこでの展開は奇想天外支離滅裂。

 哀れなるに至っては、女性版フランケンシュタイン。赤ん坊が知的女性に成長する過程は、面白いと思うが、大きく心動かされるには至らない。エマストーンの演技には度肝を抜かれたが。

 

 そして「コト」

 

 コトのストーリーは、誰でも類似の経験をしているかもしれない。家族や親戚も、自分の家族や親戚にかぶるような人たちだし。見終わった後は淡い感想しかなかったが、いま、改めてこういう普通の風景の中で人の琴線に触れるようなストーリーの映画、いいなあと改めて思った。