悠々談談

日々思うことを、つらづらと

 映画「オッペンハイマー」がみたい

 小学校の頃は1年に2回か3回か講堂に全児童を集めて映画会があった。二本立てで1本は必ず原爆映画だった。モノクロの映画がメインだったが、やはり強いショックを覚えた。身内に被爆者はいなかったが、母や祖父からはその日のことをよく聞いた。2人ともキノコ雲を見ていた。子供の頃は、原爆ドームの近くにはバラックが残っていたり、ケロイドを見せてお金をもらう人もいた。

 そんな自分にはクリストファーノーランの新作のこの映画を何としても見てみたい。みた人の批評の中には広島と長崎のことが描かれてないというのがあった。しかし、この映画は原爆という狂気の爆弾を作ってしまったオッペンハイマーの苦悩がテーマである。広島、長崎を描けばそれだけで3時間はおろか5時間は必要だろうし、そのシーンを描くためにかなりの資金を使う必要がある。

 オッペンハイマーは、マンハッタン計画という原爆プロジェクトを強いリーダーシップで進めていったが、彼は作ってしまったことに後悔の念にさいなまれ、戦後は核兵器開発から手を引く。それが今度は、赤狩りの対象となって公職追放、そういった人生を歩み62歳で人生を終えている。そんな数奇な運命の彼の生涯を描いたドラマなのだ。そしてノーラン監督はこのオッペンハイマーを注視していたらしく、前作テネットで彼が核の連鎖反応が世界を飲み込むことを恐れたと、作中でインド人ブリアに言わせている。

 私はこの作品で、オッペンハイマーの苦悩をドラマとして鑑賞してみたい。ただ、日本では上映は未定。もし中止になるようなら、すでに上映している台湾か8月から公開の韓国に見に行ってみたい。