悠々談談

日々思うことを、つらづらと

東京のオフィスビルは大丈夫なのか?

 森ビルの麻布台ヒルズ。11月24日、今週金曜日の開業だが、オフィスのテナントが埋まってないと今週の東洋経済が報じている。何でも、麻布台ヒルズにはAmazonジャパンが移る予定だったのが、取りやめたらしい。大所帯であれば移転費用もばかにならないし、アマゾン以外の大規模企業も家賃という固定費の削減を考えて移転を躊躇しているらしい。

 コロナ禍が明けたとはいえ、大手であれば部分リモートは続いているところは多い。そうなるとフリーアドレスのオフィスにすれば全社員数に合わせたオフィスそのものが、そこまで広いスペースを必要としない。なら、無理して新しいオフィスビルに越すこともない。東洋経済の記事によると2年間賃料タダのフリーレントのオファーもあるとあったが、不動産開発業者がそこまで骨身を削らないと借り手がつかないということか。

 株価は上がるが実体経済は明るい兆しが見えてきていない。景気が右肩上がりであれば、オフィス需要もそれに合わせて上がっていくのは確かだろうが、今はそのようになっていない。自分が働いたことのある外資系はことごとく日本を離れ、アジア本部はシンガポールや香港に移り、そもそも日本法人を閉じて日本は代理店に任せている会社もいくつかある。そうなってくると外資系だって、貪欲なオフィス需要は発生し難い。

 それなのに、いまオフィスが次々と建てられている。自分が知る限りにおいても、新宿小田急のビルもそうだし、中野駅周辺でも開発が進んでいる。需要がないのにも関わらず、作り続ける。テナントが入らないから、貸し会議室がやたら目立つし、コワーキングスペース、シェアオフィスになっているところも多い。土地が売れないので駐車場にする、というのと同じロジックに基づく展開だろうと思う。そして、これらのビルが建設費がキャッシュで作られているとは思えない。中小ビルはスタートアップ企業の需要が旺盛とも書いているが、スタートアップ企業が全て成功するとも思えない。

 

 結果、そのビルを建てるために借り入れたお金を返済できなくなるという事態に陥ることはないのだろうか?