悠々談談

日々思うことを、つらづらと

コロナ終息後の映画

  米国は日本よりずっと前から劇場は閉鎖している。よくアクセスする映画comサイトも、ランキング欄自体がかなりの期間空白のままだ。

 

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 それは仕方ない。米国も日本も映画館は閉館だからランキングが成立しない。

 

 ただ、問題は興行面だけではない。製作サイドだって、スタジオ撮影とかロケとか難しくなっているはずだ。実際問題、撮影があり、製作者が編集をして初めて映画は完成する。その映画の製作自体が滞っていたならば、たとえコロナが落ち着いて劇場が再開しても、製作がストップしていたなら、ラインナップはどうなるんだろうという危惧はある。下記のリンク上の中でも『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』などは5月公開だったが、延期され公開は来年の4月になる。1年延期。この作品群の中にはこの作品のように製作プロセスにあったものも多いのだろう。特にロケの場合、背景となる季節も影響するからね。

公開が延期されたタイトルリスト(TOHOシネマズサイトより)

https://www.tohotheater.jp/news/sakuhin_enki.html

 

 こんな感じになると、来年のアカデミー賞なんて成立しなくなるかもしれない。劇場が閉まっててもNetflixがあると言っても、確かにそうなんだが、製作サイドは劇場公開版もネット配信も同じなのだから。結局のところ、劇場もネット配信も懐かしの映画配信、配給になってしまうのかもしれない。

 

 もうひとつの論点はネット配信。

 

 昨今の映画は巨大スクリーン、IMAXとか3Dとか効果を極大化した映画が増え、映画の作品がアトラクション化してしまっている。席が揺れたり、しぶきが飛んできたり。それが臨場感を増幅させる。別料金やメガネを買ったりして楽しめたのは確かだ。

 しかし、劇場でそう言った形で上映されてきた作品もネット配信になると、そう言ったテクニカル面がそぎ落とされ、ストーリーが全面に出てくる。ストーリーに厚みがないと、ネット配信で見た場合、面白みは半減したりする。結局のところ、Netflixで昨年のアカデミー賞でノミネートされたROMA、今年ノミネートされいくつかの賞も受賞したマリッジストーリー

。いずれもストーリーで魅させる作品だった。あと、『2人のローマ教皇』『アイリッシュマン』もよかった。そこにはIMAXとかは介在しない。映画館に行かず、Stay Homeで映画をみる期間が長くなればなるほど映画に対する方向性も、アトラクション的映画から物語性の強い映画に変わってくるんじゃないだろうか?

 

  とにかく、コロナが映画業界にとって転機であることは間違いないと思う。