悠々談談

日々思うことを、つらづらと

むかしの映画館と今の映画館

  小さな恋のメロディという映画があった。中学生の頃だったか、20回見たという猛者がクラスにいたりした。

   それは20回分の料金を払って見たわけではない。シネコンのように指定制ではないから、気に入ったら朝から最終放映までずっと

映画館に居座ることができた。あと自分はやらなかったが、途中から上映中のなかに入り、見終わったあと最初の部分を次の回で見る

なんてことも日常的だった。

     あと幕間に飲み物とかを売りにくるのは当たり前だったし、 うちの田舎だけかもしれないが、映画の上映中にナントカ町のナントカさん電話がはいってますと係りの人が微妙な大きさの声で呼び出しをかけたり。そういえば映画の本放映の前に映画泥棒ではなく、かならずニュース映画が流れた。ニュース映画についていえば、40年前当時のソ連レニングラードで映画館にいったときも、ニュース映画があった。当然当時の共産党プロパガンダだが。

     それと今はデジタル化されたからないことだが、スクリーン前を人が通ると映写機からの映像を遮るため頭の影が映ったり。子供の頃はわざと手を伸ばしてスクリーンに自分の手を映し出したりもした。 

     指定制でないから、お正月の寅さんなんかだと立ち見のお客であふれていた。40年前 日活に入った時の話だが、今の伊勢丹の前の丸井の場所に映画館があり、その周りを入場待ちの人が二重三重に列を作り、危険なほどの行列になったのでバスを日活がチャーターしてお客をまだ余裕のあった上野に誘導したこともあったと聞いた。

    東京にでてきてびっくりしたのは昼間の上映にも大人がけっこうみにきていること。ロードショー館で好きだったのは、日比谷映画、新宿プラザ劇場。行く機会を逸したがテアトル東京はいって見たかったなあ。このうち新宿プラザ劇場はいまのTOHOシネマズ新宿の場所似合った劇場だが、スターウオーズの初日かなにかだったか行列に並んでみたが、拍手が起きたのにはびっくりした。いまは応援上映と銘打った回しか騒ぐことはない。

    こんな映画館のことを思い出したのは映画ニューシネマパラダイスのおかげかもしれない。昔と比べたらスマートになったし、きれいになったけど、どっかむかしの方が映画館にワクワク感を感じたような気がする。