悠々談談

日々思うことを、つらづらと

DXの世界を日本がリードしたかもしれなかったのになあ ため息

 かつてスティーブ・ジョブズは、NTT研究所に見学に行き、そこでの研究成果をすべてもらいたいと言ったと聞いたことがある。iPhoneの出る前だ。そのあとどういう経緯があったかは知らないが、その時点ではスマホをめぐる最先端を日本が行っていたのは確かである。そしてその後、リリースされたiモードは携帯端末をインターネットに接続させた画期的端末だった。カラーではなかったが、ドット表示でブラウザも表示できた。そして、何よりも画期的だったのは、携帯端末でEメールが読めたこと。もし、NTTがジョブズと組んでいたら、今とは違うiPhoneになった可能性は高い。海外進出も試みたが失敗。当時は日本の携帯メーカーが次々と新作を発売、国内マーケットのみ対象のiモードになってしまったが、そのiモードiPhoneを嚆矢とするスマホに駆逐され、すでに新規受付を終了。2026年3月にはサービス自体が終わってしまう。

 

 2001年に導入されたスイカ。非接触型交通カードであるけど、その直後あたりに日本中国韓国台湾で交通系カードの規格を統一しようというニュースがあった。しかし、その話は立ち消えになった。国内完結型ビジネスになってしまったけれど、ここに来て難敵が現れた。クレカ決済である。自分もそうであるが、海外に行くと地下鉄とかバスに乗るに際して、両替してお金を投入するのも面倒だし、チャージ用のカードを買って、チャージしながら乗るのも面倒。それが、クレカをピッとタッチするだけで電車やバスに乗ることができる。観光立国を標榜する日本としては最適解のクレカ決済だろう。駅員も対応の手間が省ける。ちなみに国内でも阪神阪急近鉄がクレカ決済に向けて動き出している。交通系ICカードフェリカという技術は早晩、廃れる。

 

 たら、は歴史では禁句だけど、この二つを世界にうまく売り込んでいけていれば、DX含めたデジタル化もそうだし、産業構造自体も少なくとも今のような昭和の香りに包まれた状態では無かったであろうと思うと、ため息も出るわけです。