山田洋次監督の東京家族は、小津安二郎監督の東京物語のオマージュ。カメラアングルで小津を意識したところも心憎いが、平成版の東京物語に落ち着いている。蒼井優、妻夫木聡の演技もこの作品に磨きを与えている。
さて、ここでか書きたいのは山田洋次監督作品には広島が絡む作品が多いという点。小津安二郎の東京物語は老夫婦は尾道から上京という設定だったが、今回は同じ瀬戸内海の島の設定。やはり広島。長崎から北海道へ移住する家族の道中を描いた家族も高度成長真っ只中の広島県福山市が登場する。映画故郷においても現呉市の倉橋島が登場する。
広島弁が物語にまろやかさを与えたということもあるのかもしれない。東京家族では橋爪功が広島の古老を見事に演じ切っていたと思う。博多弁や大阪弁ではこういったストーリー構成にはならかったような気がする。
ただね、そのあとの同じメンバーの家族はつらいよは、東京家族の余韻にしたったうちみるのではなかったという後悔の念。だからすぐに見るのをやめた。