悠々談談

日々思うことを、つらづらと

戦争はもう始まっている

 それは別にロシアと戦火を交えているとかいうのではなく、戦争の真っ只中に自分たちはいるという認識が必要な気がする。

 というのも、ロシア経由の天然資源が入手できなくなって、世界経済が疲弊。特にヨーロッパはひどく、イタリアではしびれを切らした国民が極右の政党を第1党に選んだ。極右というと危うさを覚えなくもないが、言ってることは苦しい国民の生活を何とかしようとしてるだけのこと。保育所の無償化や子ども手当の増額など真っ当な対インフレ策。もう耐えられないとイタリア国民はノーを突きつけた。

 帝国主義の時代では領土拡大が明確に自国の利益になり、所得も増えたかもしれなが、今は違う。世界はガチガチにネットワークで繋がっていて、そこが寸断されると、その時点で存在していたビジネスモデルも破綻する。そして、その代替策の実施には非常に困難を伴う。そこで他国は経済を、国民生活をインフレから抜け出しなんとかしようと必死だが日本にはその気配はない。太平洋戦争中、欲しがりません勝つまではというスローガンがあった。同じ枢軸国イタリアと違い日本は、いまもこのスローガンが生き続けている。そして国民は我慢している。でも、その我慢も限界ではないか?そんな最中に27日国葬である。しかし、世界がウクライナよりも自国民の生活救済に動いている時に、である。

 結局のところ、ウクライナが米英の支援で勝ったとしても、また逆にロシアが勝ったとしても経済秩序の回復は半端な力では成し遂げられない。リーマンショックの時は中国が回復のプロセスで財政出動を掛け持ち直したが、今はコロナのゼロコロナ対策で減速気味。勝者は米国の軍事産業だけ。

 

ウクライナ危機は、今一つ冷静に考えないと、世界経済全体が荒れ野になりかねない。