悠々談談

日々思うことを、つらづらと

高齢者警備員しか仕事がない?!

  昨日の朝日新聞に高齢者警備員のことがルポされていた。

  実際問題、都内の土木現場、建設現場で目立つのは高齢者警備員。記事によると65歳以上はこれくらいしか仕事がないという。取材対象の方は編集者で年収1千万稼いだ時期もあったが今は警備員で稼いでいるらしい。

 

 就職、転職の限界と言われた35歳はすでに過去のものとなった。いまは40、50歳でも転職の機会が多い。しかし、日本には定年があり、年功序列、新卒一括採用という岩盤の人事システムがあり。60を過ぎると仕事は激減する。そもそも会社社会が60歳以上の就労を想定してないからだ。55歳で役職定年になり、60歳で嘱託契約。給与はぐんぐん下がっていく。そして65歳以上になると

 

警備員

掃除係

印刷会社軽作業

配送トラック助手

 

  これらの仕事を20年、30年続けられるか?これらの仕事も社会が経済的に発展しないと先細りするものばかりだ。工事は企業や自治体にお金がないと発注できないし、掃除は真先に経費節減でカットの対象になりそうだし、印刷や配送トラックは企業の景気に直結する。

介護福祉関係の仕事もあるにはある。これは体力がいるし、給与も多くない。

 

   それならばどうするか?

 

  やはり岩盤の雇用人事システムのリセットしかないのではないか?このシステムは人口増、年金財政の安定を前提としている。しかし、いまは少子高齢化。コンビニが外国人抜きには回らなくなったように社会全体で働き手がすくなくなる。人口増のための政策をとって、たとえば出産年齢の女性がいっせいに出産したところでその効果が出るには30年はかかる。でもそれは極めて非現実的。

 

 ならば、この昭和型雇用人事システムを壊し、通年採用を前提とし、定年を廃止。もちろん年功序列賃金、春闘もなくする。そうすることによって、博士号をもった30代の若者がいきなり開発部門のトップにつくことだってあるかもしれないし、昭和型では平社員がやっていた仕事に、そこそこのお金がもらせれば、という50代のベテランがつくことだってあるかもしれない。そうすることによって、雇用の場は確実にオープンになる。もちろん、各自がスキルアップはからないとはじき飛ばされるリスクもそこには出てくる。

 

 いま官界、財界のトップの人たちの掛け声ひとつで可能と思うが、自分がいる間は今のままでいいよ、と思っているのが現状なんかな、哀しいけど。