悠々談談

日々思うことを、つらづらと

令和の世代観

    今上天皇は昭和35年生まれ。自分がそれに近い34年生まれだから実感できるのだが、団塊世代団塊ジュニア世代に挟まれた特徴が一言でいいあらわしにくい世代。戦前世代、戦争を経験した親の世代の気持ちもわかるし、下の世代の気持ちも理解できたりする。それは裏返していえば自らの主張が足りない世代。

    言って見れば理解のある、何を言っても頷いてくれる好々爺。相手のことを否定もしないし、かといって積極的に支持もしない。無色透明感のようなものを、令和には感じてしまう。 

    上皇陛下は、疎開先の軽井沢から東京に着いた時の焼け野原の風景が原点にあり、それが日本国憲法を強く意識されたきっかけになったのだろうという論考に接したことがある。その点、今上天皇は物心ついたときから高度成長の只中にいらした。ただ、父親たる上皇陛下の背中はずっとご覧になりながら過ごされてきたと思うが、焼け野原の東京も、貧しい日本も、自分も含めての世代としては経験というか見聞きされていないが、バブルの日本はみてこられ、ここ6年の安倍政治も 見てそれなりのお考えもあるかもしれないが、天皇という立場で主張はできない。そういう意味では無色透明でいいのかもしれないが、政治が天皇家を時の権力の色に染めようとしてくるかもしれない。

そのときは上皇陛下がとられたように国民に寄り添う天皇であってほしいと思う。