悠々談談

日々思うことを、つらづらと

日本を取り戻す

 安倍首相の好きなフレーズだが、ただ、私はその日本の解釈、定義が違う。

 安倍首相の言う日本は勇ましく、力強い、富国強兵日本。

 自分のイメージする日本、取り戻したい日本は、寅さんの生きていた日本。

 

 今、48本を最初から見ている。葛飾柴又の人情味あふれるところがとてもいい。特に好きなのは寅さんが、ある時は妹のさくら、ある時は旅芸人の女優に、長財布からお札を出し、これで、美味しいもんでも食いな、と渡す。さくらのこども満男にお菓子でも買ってやれとこれもお金を渡すのだが、大きなお札を渡してしまい、お札入れはカラ。ちくしょう、間違っちゃったというんだが、取り戻しはしない。

 そんで柴又に帰ってきてひと騒動かけるんだが、みんなに迷惑もかけるんだが、いなくなると、とらのやつどこで何やってんだか、と心配する。

 

 でも、そんな人情あふれる柴又帝釈天。そんな人情あふれる街が日本中にあった。それが小泉改革以降、シャッター通りと化し、先日も大学の近くを歩いたら、30年前にはなかった、コンビニがそこかしこに。本屋さんだって、大書店もトーハンや凸版に出資をあ仰いでいるのが実情。ここに行けばあの本があるという目をつぶってでも歩けるとこがなくなってきた。馴染みの書店では、あの作家の本入ったよ、とかね、言ってもらったもんだ。

 

 今見ているのは1970年代。今の利便性はそのままに、あの頃の日本を取り戻すことはできるのか?