悠々談談

日々思うことを、つらづらと

憲法の日、過ぎたけど

 もう40年ほど前になるか。日本テレビ竹村健一が世相講談という番組をやっていた。アシステントは小池百合子。やたらと、憲法9条をはじめとして、リベラルの主張に対し、「日本の常識は、世界の非常識」を、独特の関西訛りで人気を博していた。

 ちょうどその頃、帰省すると生長の家のパンフレットがトイレに置いてあった。なんでも近所に信者らしき人がいてしょっちょう家に来ては世間話をして、冊子を置いていったと聞いた。その時、母が私が憲法9条は守るべきだと言ってるというと、今度話がしたいと言っていたらしいが、結局、話すことはなかった。

 

 この本を読むと、ちょうど生長の家が、政治活動を活発化していた頃だった。その後、番組は終わり、小池百合子はその後、自民党のセンセイに。見事に日本会議に収まっている。

 

 この日本会議を隠れ蓑にした旧生長の家グループが力を持ち、今の安倍政権を支えている。そして、憲法改正の眼目が、

 

1 緊急事態条項

2 家制度

 

そして、目指すは明治憲法の復活。本当は、美濃部達吉天皇機関説までは、立憲主義に則った立派な憲法だった明治憲法だが、彼らが目指すのは、結局のところ、1935年から1945年の、国家統制国家日本。

 

 そういう国家統制国家がどういう末路をたどったか。彼らにとっては、ドイツではなく連合国に着けばよかったくらいにしか思ってないんだろう。

 

日本会議の研究 (扶桑社新書)

日本会議の研究 (扶桑社新書)

 

 

憲法を論争するにしても、立憲主義という土俵を外した議論は、もう虚しいだけだ。論理のぶつかり合いではなく、改憲志向の与党は、感情で論を言うだけ、議論がかみ合わない。

 

立憲主義という土俵を作り直さないと。そのきっかけが、参院選、続くかもれない衆院選

 

そういうことを思った憲法の日だった。

 

この本もよかったなあ。

「憲法改正」の真実 (集英社新書)

「憲法改正」の真実 (集英社新書)