悠々談談

日々思うことを、つらづらと

時代は変化を求めている

 格差はもはや国が政策的に解決できる問題ではない。

 国境を越え瞬時にお金が地球を一周する時代。企業も生き残らねばならないから必死になる。ライバルは国内企業だけではない。海外の企業も競争相手だ。生き抜いていくためには、会社存続のために、戦略を立て、立ち向かわねば、自らが海外企業の軍門に下ることになる。そこにはもう、企業で働く従業員、派遣社員、パート社員といった視点はなく、もうひたすら社員の存在も人件費と言う名の数字にならざるをえなくなってきている。

 ところが、そういう現状に日本に限らず、政府は無力。安倍政権は、賃金を上げろとか言うが、簡単には動けぬ。ただ、選挙で票になるグローバル企業の社員は投票してくれるから、政権も本気で格差是正に取り組まぬ。それはいずれの国でもそうだろう。

 ただ、資本主義と言う殻を脱皮できない以上、何らかの解決策を取らなければ、ならぬ。格差が野放しにされれば、鬱積した人の気持ちがどこに向かうか。政権は、そして世界的に経済行き詰まりの中で、戦争という最大の公共事業を日本をはじめ求めている空気で満ち溢れている。しかし、今の戦争は、見えない敵相手。こうして、ワープロを打っている都内の繁華街で、この数分後に爆弾が破裂して命を落とすかもしれないリスクを現代は負うている。それを、テロとの戦いに屈しないと称し、国民を監視し、がんじがらめの国家主義の国に突き進もうとしているのが今の日本。そうなると、格差よりも対テロ戦争。我慢を強いる政治。

 そして、かみ合わない議論の国会。

 年始早々、明るくなれない書き初めに成ってしまったなあ。

 

南北問題の国内問題化

 南北問題の国内問題化。

 誰の論考だったか覚えてないが、強く印象に残ったのがこの考え方。

 日本の高度成長もそうだが、開発途上国で安く商品を、もしくは原材料を調達し、国内市場もしくは、輸出で利益を出す。このやり方で先進国は世界経済を好きに出来た。途上国の労働環境は劣悪で、過酷な割には低賃金。例えばiPhoneの工場の鴻海科技集団の中国工場の労働環境の劣悪化が世界的に問題になった。しかし、そこで出来たiPhoneを先進国の人が使う。それも高額なお金を出して。でも、その高額なお金の一部しか末端の労働者には届かない。

 でも、その作り方もできなくなった。工場も、ベトナムバングラと移っていったが、もう世界の次世代の工場はない。原価はもはや下げられず。

 商品の原価がこれ以上下げられないとなると、商品の川下、国内で削るしかない。それが南北問題の国内問題化。例えば、爆買いの免税店で交通整理、団体バスの誘導をするのは、日本の非正規雇用であったりするわけだ。

    最近は駅のホームも警備会社が請け負う。平日の朝、山手線に乗る人は、7時台は、顔が日焼けしたリュックを背負った中高年がおおい。リュックの中には、作業着があり、時給仕事のための出勤である場合が多い。

 高度成長期の映画で、植木等の日本一のホラ吹き男というのがあった。主人公は、一流会社の採用試験には敗れるが、警備員として社員に採用され、次々と階段を上っていく。そういえば、吉野家の社長、会長はアルバイト上がりだったが、今の日本にそう言ったシンデレラストーリーは見えてこない。これが絶望を呼ぶ。

 国と国の南北問題は、国の政策で動かすことはできるが、国内の南北問題は、その益を享受の側が国内にいて、なおかつ、権力側にいるから、打開はなかなか難しい。考えられるのは、国境を超えた動きしかないのかもしれないが、国家という枠組みがあるとそれも難しい

 世界は解くのが難しいパズルを解きたい国民と、解かせたくない権力サイドの厳しい戦いの時代になったのかもしれぬ。

 

 

左に右に揺れた1年だった

 昨年の紅白歌合戦で、サザンの桑田がヒトラー風ちょび髭で風刺歌を歌って、NHKでよくやったなあと、お屠蘇気分で酔っていたら、年明けにサザン事務所から謝罪コメント。

 そこから一気に、左封殺空気。安保法制まで突き進むが、ここでSEALS、国会集会。組織に頼らないであれだけの人が集まる。メディアもそれを取り上げざるをえなくなる。

 それに棹さすように、今度は野党分断の動き。維新分裂。反安倍の動きは報じられない。もちろん、民主党は、本籍自民党と言っていい議員が多く、ブレーキを利かす。

 でも、ここにきて共産党の動きが。特に民主党の動きは鈍いが、熊本の補選では統一候補が立ったり、共産党が初めて国会の開会式に出るとかの動きになるが、来年の参院選に向けての動きは急。

 官邸側も、メディア対策。年末に古舘、岸井の降板を仕込む。もちろん、直接官邸が手を出したわけではないが、日本独特のあうんの呼吸というやつに、放送局が応じたんだろう。

 

 そして年明け早々の通常国会

 

 TPP

    パンツ大臣

 GPIFの投資株価の動向

 巨額な補正予算

 海外でもバラマキ

 甘い経済成長のよみ

 そして安保法制の、丁寧な説明.....

 

どこまで安倍政権が持ちこたえられるか?メディア対策だけで選挙が動かされてたまるか、だね。

 

 

 

 

本が売れないのは図書館のせいではない

新宿区立図書館で、火花を借りようとすると1000人待ち。ピケティは、2月に申し込んだが、順番きたのが9月。話題の本は半年待ちは覚悟せねばならぬ。火花は、新宿区で35冊あるようだから、もっと早いかもしれないが、読みたい気持ちは、どんな本でも半年たてば、萎える。なかには、番がきてもパスの人も多いのではないか?私もピケティは、キャンセルした。
もちろん、お金を払うことなく本が読めるのはうれしい。図書館にいくかというと、本が高いからだ。高いから、図書館を頼る。単行本だと、最低でも2000円近くはする。実質所得がすくなくなっている昨今、とくに読書家の場合、読みたい本を半年待つのは本当に辛い。結果、本を読まなくなる。
結局のところ、本が高すぎるのだ。その値段は、日本独自の再販をはじめ、流通に問題あるんだろう。そして、それにひもづく業界が電子書籍のディスカウントも阻止している。
図書館を悪者にすることなく、書籍の流通制度見直しのときかもしれぬな。

保険もいらない

保険は基本的にいらない。若いときは、病気にもならないし、死亡に備えては保険に回すお金を自分で運用。
病気になっても社会保険で高額部分はカバーできる。大部屋には差額代は不要。

それは年末調整で、社員が高額な支出を保険にさいているのにいつも感じる。

気休めにはいるなら、掛け捨て前提の共済。カタカナの外資医療保険は、理由をつけて保険金は支払われなかったりする。収益は海外の本社に吸い上げられる。ダックはいらないのだ。

自分のお金と健康は、自分で管理しないといけないのだ。これからは。
ただ、この仕組みを壊しにかかるアクションには注意すべきだ。

出羽守とガラパゴスの共存

欧米ではこうなのに、日本では違うとかいうのを出羽守デハノカミという。この《では》で命名されたんだろう。一方、ガラパゴスは、ご承知のとおり日本way。
でも、日本にはいいところもあれば悪いところもある。しかし、1億2000万の日本人が全員そうともいえないし、そうだとしても、直すべきとは思わない。否、直せない。逆にそうなると、日本らしさの喪失になりかねぬ。

たとえば、会議でガンガン発信する欧米人。日本人は、会議を黙って聞いているだけだったりする。でも、日本人が全員、ガンガン発信できるようになる必要はない。日本の会議は、事前に根回しで、会議はシャンシャンの儀式。ここで、ガンガン発信すれば、ルーチンが停滞する。
もちろん、海外の人がからむときは、発信は必要だし、会社のトップがそういう考えならそうすればよろしいかと思う。しかし、ビジネスパーソンがすべてそれを意識することはないと思う。
 欧米流と日本流。これがうまく共存する社会に日本がならぬものかなあと思う。

政策論以前の問題 安保法制決議

 政権が法律案を作る。憲法の条文上、違憲の疑いがあっても、立法府の数で通してしまう。もちろん、違憲の訴訟が起こされても、その前に実績をつくり、最高裁は内閣に予算を握られ、なおかつ自分たちを追い込むような最高裁裁判官は任命しない。地裁レベルで違憲判決すれば、左遷覚悟.....。

 これだと、数さえ立法府にあれば、もうなんだってできる。法律、判例などはまったくもって関係なし。

 こういうのを独裁政権というのではないか?

 そして、集団的自衛権についての法制局の議論が書面で残っていない........。後世の歴史家は、どうやってこの集団的自衛権を考えることになるのか?まして、委員会の議決も記載ない。史家というよりも、主権者たる国民にもいきさつがわからない。あるのは、国会の質疑だけだが、最後の採決はその議事録にない。

 

 首相がいくといえば、こっちにいく。こういう前例は、ヒトラーの全権委任法と同じ意味合いをもつ。

 

 そういう意味で、この前例を取り消す意味で、安保法廃案、内閣解釈改憲の方向性を取り消すこと。日本を民主的な国に戻すことが本当に必要な時だと思う。

 そして、振り出しにもどして、安保外交論議をすればいいのではないか?